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2014年7月 1日 (火)

全日本選手権 優勝

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【雄たけびを上げて歓喜のゴールを迎える佐野淳哉選手が完全復活を証明した】
©MakotoAYANO/cyclowired.jp



皆様、こんばんは。

全日本選手権を終えて、興奮冷めやらぬ日々を過ごしております。


改めましてご報告をさせて頂きます。
エース・佐野淳哉選手が『第83回全日本自転車競技選手権大会ロードレース・エリート男子』を征し、日本チャンピオンの栄冠を手にしました。
国内レースの中で、最も権威のあるレースであるこの全日本選手権を征した選手は「日本チャンピオン」として、以降翌年同大会までの1年間、日本チャンピオンジャージを纏ってレースを走る権利を手にすることとなります。


以前のブログでも触れましたが、自転車ロードレースの世界では、各国のチャンピオンを決する「ナショナル選手権」がほぼ同時期に各国で開催され、それぞれのレースを征した選手を「ナショナルチャンピオン」として称えるという伝統があります。
どんな国の、どんなレーサーも、この国内チャンピオンの証である「チャンピオンジャージ」を纏うことを目標としており、年に一度のこのレースを征することは大変難しく、力がなければ届かず、たとえ圧倒的な力を持っていても、そうは簡単に載冠することは出来ない、大変栄誉あるタイトルです。

佐野選手がこの超ビッグタイトルを手にするまでは、本当に厳しい道のりでした。


昨シーズンの同大会で“一番最初に降りた選手”が佐野選手でした。
兼ねてから、圧倒的なポテンシャルとフィジカルを評価されていた佐野選手は、その脚質の特徴から、勝利を量産するタイプの選手ではなかったものの、国内を代表する選手の一人として、圧倒的な実力を示していました。その佐野選手は昨年、イタリアのプロコンチネンタルチーム・ヴィーニファンティーニで本場ヨーロッパのトップカテゴリーのレースを中心とした活動にチャレンジしていました。
しかし、精神的にも肉体的にも過酷な環境下で、心身共に深いダメージを負い、失意のうちに国内へと帰国したのでした。
そんな状態で昨年の全日本選手権を迎える頃には、ただ自転車に乗ることすらままならないほど深刻なダメージを負っており、2013シーズンは以降のレースにも出場することが出来ず、完全にレースから遠ざかってシーズンを終えました。



その佐野選手に白羽の矢を立てたのが、清水PMでした。
かつてチームメイトとして活動したことのある佐野選手を、活動2年目を迎えるチーム補強の目玉として据えるという人事でした。
佐野選手も、この清水PMのラブコールに呼応し、一時は“引退”を考えるほど落ち込んだ状況からの再起をかけて那須ブラーゼンへと入団してきました。


活動2年目の、国際登録すらしていない、地域密着型の弱小チームへの加入は、当初、レース界でセンセーショナルに取り上げられていました。「もったいない」という声や、「佐野は終わった」という評価を下す論調さえ存在しました。

事実、2014シーズンが幕を空けても、前シーズンの大きなブランクの影響でコンディションも思うように上がらず、加えて、チーム運営の成熟と、若手選手の育成に着手し始めたばかりの那須ブラーゼンは、例え佐野選手が本来の走りを取り戻したとしても、“100%の結果”を得られるような状況ではありませんでした。

シーズンが中盤に近づくにつれて、佐野選手自身のコンディションは驚異的な向上をみせ、「佐野復活」の印象をライバル選手達に与えるまでになっていました。
そんな状況でも、やはり、戦力と経験に劣る那須ブラーゼンの中にあっては、ストレスを受けずに走ることが非常に難しい状況でした。


それでも、自分自身の復活を証明するためにも、エースとしてチームに結果をもたらすためにも、佐野選手は苦悩しながら自身の走りに向き合い続けていました。
前半戦最大の山場に向けて、急ピッチで調整を行い、“独力”で結果を手にすることを決意しているように見えました。それは「チームを見限った」というよりは、「自分で切り開かなくてはならない」という強い思いであったように思います。


迎えた全日本選手権、最初の戦いである個人タイムトライアル。
佐野選手は最終組で発走し、圧倒的なタイムを刻んで暫定トップタイムを更新していきます。最終的には優勝大本命の別府選手(トレックファクトリーレーシング)に30秒差をつけられて2位に甘んじますが、悔しさよりも、ある種の手ごたえを持って2日後のロードレースを待つこととなります。
それでも、タイムトライアルで敗れた別府選手の能力は圧倒的で、他の優勝候補の選手達も“チーム力”という佐野選手にはないものを持っている。
この状況に対して佐野選手が出した答えが、221kmのレースを序盤から先行するということでした。その後の展開については多方面で取り上げて頂いている通りです。
※レース詳細はシクロワイアードでも取り上げて頂いています。


決してあきらめず、可能性に向かって一心にペダルをこぎ続けた佐野選手が誰よりも早くゴールラインを越えました。
本当に素晴らしい走りでした。本当にうれしかった。


あんなにも苦労し、苦悩し、一時は引退さえ囁かれた佐野選手が、もう一度自分自身の存在を、最高の勝利で証明してくれたことがなによりも嬉しかったです。



そんな思いを含めて、今は、「やった!」というよりも、「おめでとう」と「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。







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